早朝からフェリーで直島へ渡り、島内をバスと徒歩で巡る日帰りの旅

 観光客が急増のアート島
直島は、人口およそ3,150人、面積14.22k㎡の島。宇野港からフェリーで20分ほど、直島に到着するとバスを利用して観光を楽しむことができます。直島はアートの島として、最近人気を集めています。主にベネッセが10年以上も前から土地を購入して、宿泊施設を作ったり、古民家をアートで再生したりと取組んできました。日本でも有数の欧米人が集まる場所でもあります。
 地元の方々との共存
一方で、地元住民もここ最近の観光客の増加ぶりには戸惑いもあるようで、以前の静かな島の姿がなくなってしまった、観光客のマナーに苦労していると通りすがりで出会ったおばあちゃんが貴重なお話を聞かせてくれました。日本人だけでなく、海外の人は文化も異なり、日本のマナーを守らない人も多く、狭い通りを道いっぱいに広がって歩いたり、ゴミ箱に分別もせずに大量のゴミを置いていってしまうこともしばしばのようです。そのため、通りに設置していたゴミ箱を撤去したと言われていました。アートの島として産業をつくりだす人たちと昔の島の姿を守りたいと思う人たちが、日々歩み寄るところを模索しながら新しい島の姿をみせてくれている場所でした。

宇野港
 
直島へは宇野港から渡ります

宇野港駅から徒歩10分ほどのところにある宇野港から直島へフェリーで移動します。宇野港にも専用の駐車場がありますが、宇野駅の裏側にある駐車場が1日500円と周辺安値水準の価格で利用でき、今回はここの駐車場に車を停めました。それほど多く停められないので、早朝に到着した時は、一度こちらの駐車場の空きをみてみるのもよいと思います。フェリー乗り場では直島行き往復560円のチケットを購入、フェリーは1時間に1,2本定期的に運航していました。20分ほど乗船すると直島に到着、屋上で海風を浴びながら、景色を眺めているとあっという間に到着しました。この日は揺れもほとんどなく、心地よい時間でした。

直島に上陸
 
直島に到着したらバスで島内を移動

直島に到着しフェリーから降りるときれいな建物が目の前にみえます。そこでは、直島の情報やお土産を買うことができたり、島内を巡るバス乗り場があります。フェリーが来るとバスが迎えに来ているので、その急いでそのバスに乗り込み、1つ目の観光エリアだる木村とよばれている地域へ移動します。バスは1回100円で乗車できます。バスは島民の方の移動手段にもなっているので停車回数も多かったです。木村エリアのバス停を下車すると、古民家をアートの家として再生させた建物を見学するためのチケットをバス停の裏手にあるお洒落なショップで購入します。地図付きのチケットを片手にアートの家を巡りながら島内を散策できます。
 
木村エリア
 
これまでの直島の姿と現代アートが感じ取れる

家プロジェクトのある木村というエリアには小路がたくさんあり古民家の間を歩いているだけで高揚感を感じられる場所です。ベネッセが古民家の再生に取組みはじめて数十年が経過し、昔ながらの島の雰囲気を残し活かしつつ、デザイン性にすぐれた商品を扱っているお店もあり、あっという間に半日が過ぎていきました。安藤忠雄さんも直島に携わられており、安藤忠雄さんの直島での取組みの歴史を知ることができる施設もありました。路地を歩いていると“灯りと路地”という味のある看板がかかげられたゲストハウスもありました。こういう島に馴染んだ場所での宿泊、時間の流れを感じみることも貴重な体験になると思います。
家プロジェクト
古民家をアートで再生

「南寺」はいちどに入れる人数が決まっているので、チケットを買った際にはじめに訪れることがお勧めされました。南寺の中は真っ暗な空間で案内してくれる人の声をたよりに壁をつたいながら奥へ進んでいきます。目を開けていても何も見えない空間は非日常で最初は怖さも感じましたがすごく面白い体験ができる場所でした。「護王神社」は氷のようにきれいなガラスの階段があり、この階段の下へ降りることができ、案内人に懐中電灯を借りて10歩ほど奥へ入っていき振り返ると、古代の人々が見た太平洋の景色が岩間から眺められるように設計されていました。「角屋」は家プロジェクトの中で最も古い築200年の建物を再生しており、デジタル機器を用いて室内をアートの空間に仕上げていました。「石橋」は塩をつくっていた建物で当時の様子を感じられる施設になっています。「はいしゃ」は自由な発想でつくりあげられた建物で、外観にもインパクトがあり、中にもこだわりのある置き物がたくさんありました。
 

ベネッセアートサイト
 
海にアートにお洒落な施設に・・・

直島のもう一つの見所が集まっているベネッセアートサイトへはバスで移動します。つつじ荘というバス停で下車すると、目の前には海が広がり、砂浜には鳥居があります。穏やかな海を眺めながら思い思いに過ごしていました。宿泊ができるベネッセハウスや世界各国で活躍されている方々のアートが展示されている地中海美術館もあり、バスでの移動もできますが、地図を片手にのんびりと海岸沿いに沿って歩いてみても楽しいです。
家プロジェクト
古民家をアートで再生

ベネッセハウス周辺にはアートオブジェが点在しています。カラフルな色を用いたゾウやネコ、ラクダといった動物をモチーフにして植物が添えられていて、ひとつひとつに個性があり、独創的で、この島の流れる空気の中にあるからこそ、何かを感じ、考えたくなるような、そんなメッセージを感じられるものでした。
 

ベネッセアートサイト
 
海にアートにお洒落な施設に・・・

直島のもう一つの見所が集まっているベネッセアートサイトへはバスで移動します。つつじ荘というバス停で下車すると、目の前には海が広がり、砂浜には鳥居があります。穏やかな海を眺めながら思い思いに過ごしていました。宿泊ができるベネッセハウスや世界各国で活躍されている方々のアートが展示されている地中海美術館もあり、バスでの移動もできますが、地図を片手にのんびりと海岸沿いに沿って歩いてみても楽しいです。
地中海美術館
玄人も素人も満足

美術にかかわる人に聞くと行ってみたいという声の多いこの地中海美術館。海外の美術館と比べても、そこそこの値段がするのですが、せっかくの機会だからと美術に詳しくないけれど行ってみることにしました。安藤忠雄さんのコンクリート打ちっぱなしの洗練された建物は美しく、また、展示されている作品1つ1つに見応えがあり、ただ見るだけでなく、体験型の展示物もあり、次々と作品を見て周りたくなる、これまでにないような美術館にすごく満足してでてきました。
 
黄色いかぼちゃ
 
直島で一番有名な黄色いかぼちゃ

地中海美術館から下り道を降りてくると、海岸沿いにもアートがいくつかあります。小高くなった場所に、海をバックに置かれたアート、夕暮れに訪れると夕陽がアートにあたって綺麗でした。直島でもっとも有名な草間彌生さんの黄色いかぼちゃ、堤防の先端に置かれていて、想像していたものよりも大きく、みつけるとついついテンションがあがるものでした。色といい、形といい、とても可愛らしくみえました。

最終便で直島から宇野港へ

あっという間に過ぎさる1日

地中美術館やベネッセハウスのあるベネッセエリアを午後から楽しんでいるとあっという間に夕暮れになりました。つつじ荘前のバス停からフェリー乗り場へ20分ほど乗車して戻ってきました。フェリー乗り場の前の広場には、赤いかぼちゃがありました。フェリーの時間まで赤いかぼちゃの前で写真を撮ったり、遊んだりしている人がいたり、直島のしめくくりに赤いかぼちゃを見ることで、この島で過ごした時間を振り返らせてくれました。フェリー乗り場の前の綺麗な施設でお土産を買うこともできました。フェリーの上から少しずつ小さくなっていく直島の姿、そして瀬戸内海の海、船によりできる波、夕陽、どれもが美しく、高揚感を感じながらの帰路につく時間になりました。